StoryTeller

横浜F・マリノスを中心に、サッカーの奥深さ、戦術の面白さを伝えたい

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5年目の決断、しばしお別れ

しばらくプレビューをお休みすることを決断した。

マリノスの試合をテーマに、定期的なアウトプットを始めたのが2019年。そこから4年ちょい、少しずつ形や視点を変えながら基本的には毎試合欠かさず記事を書いてきた。その甲斐もあってサッカーの試合を見る楽しみが増えた。というか、サッカーの見方が驚くほど変わった。

周りからは「毎週欠かさず書いててすごい」としばしば言われたが、正直いまいち腑に落ちなかった。だって、自分の頭に浮かんだものをそのまま言葉にすることに抵抗など存在しないから。そこに気恥ずかしさを感じるフェーズはとうの昔に過ぎ去り、後から思考のアップデートが入ることを前提に「今の自分の正解はこれです」と割り切るだけで自然と筆は走った。

しかし、ここ1ヵ月ほどで急に行き詰まりを感じた。マリノスが、アーセナルが、サッカーの試合全てが同じように見えた。同じ構図、同じ視点でしか試合を見れていない。今まで朧げながら抱いていた違和感が、急に実態を伴って目の前に現れ、突然サッカーの試合が楽しめなくなった。1人で考え込むことも多く、正直苦しかった。

サッカーとは、要するに時間とスペースで切り分けて見るもの。ボールを保持したいのか、持たせたいのか。敵陣に押し込みたいのか、自陣に引き込みたいのか。速く攻めたいのか、遅く攻めたいのか。これらの枠組みに当てはめて試合を見る割合が大きすぎて、段々とそれでしか見なくなってきたことに気がついた。記事としてまとめることが目的となり、そのためにサッカーを見るように自然となっていたのだと思う。

思うに、私の試合の見方は"綺麗すぎる"。裏を返せば、だからこそ私が書いたレビューやプレビューが多くの方の共感を得られたのかもしれない。サッカーの試合をごくシンプルなストーリーとして捉えるのが、これまでに醸成された見方だった。

しかし、サッカーとはより多くの変数の連続で成り立っているはずで、理解しにくいものだ。というか、私が生きてきてほとんどの時間を費やして没頭しているゲームなのだから、それくらいの代物であってほしい。まだ人生の折り返しにも差し掛かっていないのに、サッカーの真理らしきものにたどり着いたなんて思いたくもない。つまらない。遅すぎるくらいだが、そのことにようやく気づくことができた。とりあえずこれが今自分が目指すゴールでないことにはようやく気づくことができただけでもまだ救いの余地がある。ならば、一度立ち戻って別の道へ。

もっと色々な国・年代のサッカーを見たいし、あえて大好きなサッカーから離れることで、外からサッカーを見たい想いもある。実はやりたいことがたくさんある。

だから、一度筆を置く決断をした。

ただし、今後もアウトプットは続ける。記事にはしないが、マリノスの試合を見るにあたって対戦相手の予習はマストだし、色々なチームのサッカーに触れる機会になるから、自分が思う試合の展望をひたすら書き出す作業は自己完結にはなるが継続するだろう。またPodCast「UR FOOTBALL COLLEGE」はもちろんのこと、マリノスのことを考え、書く活動は継続する。私は自分が気になったことを突き詰めて言葉にする営みが単純に好きだ。人に納得感を与え、かつ読んでいて面白い文章を書くことができると自負している。

rod25.hatenablog.com

 

現時点で見据えているのは、上記のような記事を年内に数本書くこと。書きたいと思ったときに書く、本来あるべき姿に立ち戻る。

自分が今までやってきたことを手放すのは簡単な決断ではなかったが、何かを得て前に進むためには何かを手放さなければならない。そう思った次の瞬間には夢中でこの原稿を書いていた。今まで観戦のお供として楽しんでいただいていた方には申し訳ないが、今後記事を書いた際にはまた手に取っていただけるとありがたい。